今回は昭和30年~40年後半頃まで日本で輸入販売されていたフランス製クラリネット。オーガストブヘーの特集です!
目次
1966年4月号のスイングジャーナルでオーガストブヘーの広告発見
上記雑誌はなんと約50年前、1966年4月号のスイングジャーナルです。たまにウイスキーを飲みに行く馴染みのオールドバーの本棚に普通に置いてありましたのでお借りしました。
古い雑誌だな~と思いながら何気なく読んでいるとクラリネット奏者にとって衝撃の広告が目に飛び込んできました。
それがこちらです。
「ヨーロッパの優雅な伝統にはぐくまれて育ったクラリネット、ドイツ製ならシュライバー、フランス製ならオーガストブヘー。あなたはどちらをお好みですか?」
ウイスキーで酔っぱらっていた私ですが若干酔いが覚めました。
「ブヘーって何だ!?こんな間抜けな単語久しぶりに見た!」
現代だとおそらくオーギャストビュッフェと読むのかな?と思いますが50年前の雑誌ですので細かい部分は気にしないでおきましょう。
オーガストブヘーって何?
オーガストブヘーは約50~60年前にコッス楽器販売という会社が日本に輸入していたフランス製クラリネットです。
今回私が雑誌で見かけたAuguste Buffetは50年前のモノなので、ビュッフェクランポンの叔父と教本で有名なクローゼの二人で経営していたAuguste Buffetとは年代が全然合わないので、関係ない別のAuguste Buffetだと思われます。
気になったのでクラリネット史に詳しい知人に話を聞いてみた所、Auguste Buffetは全部で4社ぐらいあったんじゃないか?との事でした。しかも4社共に全然関係ない別の会社だそうです。
クラリネットボックス様のサイトに以下の解説がありましたので引用します。
Auguste Buffet というメーカーの名は、《The New Langwill Index》には2つ掲載されています。
(1)1840年前後にHyacinthe Elenore Kloseと共に「ベーム式クラリネット」を創出したLouis Auguste Buffet jeune
(Buffet Crampon の創立者Jean Louis Buffet の叔父)が設立したメーカー。クラリネットの発展史に登場するのはこちらです。(2)1919年に商標が登録され、1925年に金管木管楽器メーカーとして広告がされているが、(1)との関係は不明というもの。
ある信頼すべき研究家によれば、(2)と(1)とは無関係とのことです。(1)は、1830年から1885年以降まで存在したと記されていますが、(2)と無関係だとすれば、同名の(2)が出現する前に消滅していたと考えるのが自然でしょう。
引用:クラリネットボックス
50年前オーガストブヘーはいくらで売られていた?
今では考えられない驚きの価格です!
なんとオーガストブヘーもシュライバーも27,000円~です!!しかし昭和40年頃だと現代とは物価がかなり違い、大卒の初任給が25,000円ぐらいだったので27,000円のクラリネットはそれなりに高価だったのかも知れませんね。
50年前、他メーカーのクラリネット価格は?
同じ1966年4月号の中に他メーカーのクラリネット広告もありましたのでご紹介します。
フランス製ノルマンディクラリネット!
奏者が満足する、すばらしいフランス製クラリネットだそうです。確かルブランの親戚みたいなメーカーですね。
小売価格30,000円
フランス製マーティン!
これは今のカタカナ発音だとマルタンって読むのが正解ですかね?当時の輸入元はセルマーやバンドーレンで今でもバリバリの野中貿易さん!さすが!
小売価格19,800円~です。
マウスピースの価格
クラリネットのマウスピースはセルマー3,800円。クランポン3,000円。楽器の価格とのバランスを考えると今より割高な気がしますね。
まとめ
1966年4月号のスイングジャーナルをバーでたまたま発見してしまいご紹介させていただきました。歴史を感じるって楽しいですね!他にも取り上げて欲しい特集がありましたらSNSでどしどし連絡ください!(^^)
出典:株式会社スイングジャーナル1966.APR.Vol20