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【仰天!グラナディラの実のカクテル】クラリネット原料と製造工程の魅力を再発見!

工場見学がブームとなっている今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。

今回はクラリネット好きな皆様の為にクラリネットの原料や製造工程をまとめてみました。あなたが普段吹いているクラリネットがどのような原料で出来ていてどのような過程を通って完成していくのか、今一度確認してみましょう。クラリネットに関する色々な知識を身に付ける事が上達への第一歩ですよ。

クラリネットの原料グラナディラについて

大昔はファゴットと同じ【カエデ】で作られていましたが、現代では【グラナディラ】という木で作られています。オーボエも同様です。

これがグラナディラです。

上記グラナディラの写真は皆さんみた事があると思います。

なんと実はフルーツとして食べる事が出来ます!

MEMO
2017/6/4追記:読者の方からご指摘頂きました。この綺麗なグラナディラの実はマメ科のブラックウッドではなくトケイソウ科のグラナディラだそうです。

ヒョエー!!仰天!!グラナディラにこんなキレイな実がなるなんて!

ドライジンと合わせてカクテルにするとなかなか美味しいそうです。

機会があれば一度飲んでみたいですね!アフリカでは普通に食されているフルーツだそうです。

 

どうしてグラナディラが使われているの?

ではなぜクラリネットやオーボエの管体にグラナディラが使われるようになったのでしょうか?木質材料工学研究室に以下の記述があります。

欧州諸国によるアフリカの植民地化で、グラナディラを始めとする重硬材が入手しやすくなった時期と、複雑化したキーシステムを支えるために硬くて丈夫な材料が必要になった時期とが重なったためと考えられます。引用元:木質材料工学研究室

グラナディラは別名アフリカンブラックウッドといいます。セネガル共和国やエリトリア、トランスヴァール共和国などアフリカ~南アフリカ地域が原産地です。硬くて丈夫なのでエジプト時代は家具や船の材料(比重が1.2程で水に沈むのになぜ?)として使われていたそうですよ。現代では伐採収穫されるグラナディラのうち7~8割が民芸品の彫り物に、残りがクラリネットやオーボエなどの楽器用に割り当てられています。そういえば最近ロシアのグレッソという携帯メーカーがグラナディラ製のスマートフォンやiPadケースなどを発売しました。なかなかカッコいいですね。

  

クラリネットのキーの素材は?

クラリネットのキーは一般的に洋白が使われています。洋白とは銅をベースにして色々混ぜているいわゆる合金です。洋銀やニッケルシルバーとも言われます。当然楽器のキーと配合は違いますが、実は日本の500円硬貨も洋白の一種です。その他、一般的なスプーンやフォークはステンレス製ですが、高級品の場合は洋白が使われている事も多いです。

 

タンポの接着剤について

タンポの接着剤についてご存知の方は少ないと思いますのでご紹介しておきます。

接着剤はシェラックという名前です。ラック虫から抽出した茶色いトロッとした液と、松脂(まつやに)を混ぜたものです。
ラック虫は、インドや東南アジアに生息する虫で、自分の体を包んだり、産卵のために殻をつくったりする際に、樹木から養分を吸い上げて樹脂状のものを分泌します。ラック虫の分泌物は昔から家具の塗装材料に使われ、今も医薬品や食品、化粧品に使われていて、天然で無害です。引用元:楽器解体新書

 

それでは製造工程を見ていきましょう!

先ほどお見せしたグラナディラの木を数年から数十年乾燥させます。その後機械を使って小さいサイズに切り分けていきます。

画像引用:楽器解体全書

この時点で既にクラリネットっぽくなってきましたね。

ビュッフェクランポン社のクラリネット製造工場の動画をご覧ください。

いかがでしたか?クラリネットの製造工場なんてとってもワクワクしますね。

次フランスに行く機会があれば現地在住の知人にお願いしてクランポンの工場を見学させてもらいたいと思います。出来るかわかりませんがその際はまたご報告させていただきますね。